医療訴訟の平均審理期間は25.2ヶ月(最高裁データ)

医師の診療行為の結果、家族が亡くなったり、重い後遺症が残ったりして、医療機関側の説明に納得できない場合、何が起きたのかを知りたい、ミスはなかったのか、患者側が思うのは自然なことです。

医療機関が非を認め、誠実に対応すれば、その多くは示談や調停で解決しますが、そうでなければ、患者側の選択肢は通常、損害賠償を求めて民事訴訟を起こすか、泣き寝入りするかのどちらかとなります。賠償金云々より、真相を解明するには民事訴訟しか手段が残されていないわけです。

医療側の対応が悪く、怒りが強ければ、警察や検察への「刑事告訴」もできますが、医療過誤が明確である必要があります。

民事裁判は「審理期間が長い」というイメージがありますが、最高裁判所が公開しているデータによると、2009年に地裁・簡裁の1審で結論が出た医療訴訟の平均審理期間は25.2ヶ月となっています。地裁では半数以上が2年以内に終わっています。

裁判所は、鑑定の専門家を増員したり、東京や大阪など10地裁に「医療集中部」を新設して迅速化を進めた結果、審理期間は以前に比べて随分と短くなってきました。それでも全民事訴訟の平均の3倍以上の期間を要しており、どちらかが控訴する割合も37%と、全民事訴訟の平均(15%)よりもかなり高く、高裁でも半年〜1年かかる場合が最も多くなっています。とはいえ、5年、10年も費やす事例は滅多にありません。

裁判の結果として最も多いのは「和解」で、2009年は地裁一審の結果の51%を占めています。和解が多い背景には、加害者にある程度の悪意があることが自明で判決が出しやすい一般の民事訴訟と違い、医療訴訟は善意の行為によって起きた障害について争うため、争点が難しいという特殊な事情があります。地裁一審で判決になった中で、原告の勝訴率(未確定も含む)は25%です。全民事訴訟の85%という数字と比べると格段に低いことが分かります。

 
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