患者側から批判の声も聞かれる日医の事案処理プロセス

患者側から医療事故に関して賠償請求がなされると、医師は地元の医師会を通じて都道府県医師会に事故報告書を提出します。100万円を超えそうな事案(100万円以下は免責)は、日医へ回り、損保会社へ連絡されます。

そして損保会社が委託した医師や法律家で作る調査委員会、賠償責任審査会で過失の有無や程度を判断します。支払状況は未公表となっていますが、年間に数百件が審査会にかかっているとされています。

「過失なし」と判断されると保険金は支払われませんが、弁護士や訴訟関係の費用は限度額とは別に支払われます。一方、事故報告を怠ったり、医療側と患者側だけで示談や和解をすると、保険金は原則、支払われません。

損保会社に全てを委任するのではなく、専門に検討する意味はあるのですが、患者の視点から見れば、「医師会全体を相手にするような形になる」との不満が根強くあります。

これらの批判を受け、茨城県の医師会は医師界では初となる「医療問題中立処理委員会」を2006年に立ち上げました。この委員会は、弁護士、学識経験者、市民代表、医師の10名で構成され、患者の申立て対応し、必要性を認められた事案については、斡旋・調停会議を開催し、問題の処理にあたるというものです。

 
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