インフォームド・コンセントでは、「十分な」治療上の説明が重要です

患者の権利意識の高まり

90年代後半以降、医療訴訟が増加するにつれて、治療や手術ミスを争う従来型の訴訟に加えて、「インフォームド・コンセント(十分な治療上の説明)がなかった」、「適切な医療水準の治療を受けられなかった(期待権の侵害)」を理由とする新たなタイプの訴訟が増えてきました。

例えば、60代の前立腺肥大症の患者が手術後の後遺症として「勃起不全になった」という裁判を起こした例があります。

理由は「薬物療法という代替治療の説明を受けることなく手術を受けた結果、男性としての機能が奪われた」というものでした。

病院側は「前立腺肥大の根治には、手術しか選択肢がなかった」と患者に説明したとのことでしたが、薬物療法では「根治」しないという説明が不足していました。つまり、「十分な説明」がなかったと判断されました。

術後の後遺症についても、「男性機能が低下するケースもある」と説明は、男性の年齢(60代)を考えて、必要はないと勝手に判断して、省略してしまいました。インフォームド・コンセントは、直訳で「説明と同意」と捉えるのは危険で、「十分な」説明を付け加えないと、裁判の争点になるということです。

 
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