医師の過失割合は点数化され、海外への留学や国内の転職の際に参考にされます

不幸にして医療事故が起き、医療訴訟を経た結果、患者側へ賠償金の支払いを命じられた場合、保険会社から病院側に保険金(賠償金)が支払われて一応の結着となります。しかし、勤務医の皆さんには注意しなければならない点が残されています。それは医師と病院の双方の「過失割合」を決める手続きです。

判決では、「患者側に賠償金8,000万円を支払うこと」という大枠しか述べられていませんが、その8,000万円を医師と病院がどれくらい負担しあうかを決めるわけです。このプロセスでは、保険会社が過去の実績を参考にして、医師と病院にどれだけの過失があったかの査定を行います。

トップページで少し触れましたように、近年は賠償金の全てを病院の保険で負担するケースは減少していますので、勤務医にどれくらいの責任があったのかを決めなくてはなりません。「医師賠償責任保険に入っていれば、金銭的な負担は生じないから問題ないのでは?」と思われるかもしれませんが、医師の過失割合は点数化されて記録が残り、海外への留学や国内で転職活動を行う際に、「過去10年の事故履歴と過失割合」を細かく訊かれるなど、医師を評価する重要なポイントと見なされるのです。

しかしながら、国内では日本医師会を除けば、この過失割合の査定作業を専門的に行っている団体(あるいは代理店)は、ほとんどないのが現状です。結果として、査定作業は保険会社に「丸投げ」状態になっているのですが、責任の所在があいまいなまま、勤務医の過失割合が不当に高くなっていることがあります。

過失割合は20%を超えると「単純ミス」の範疇を超えて、大きな赤点と見なされます。医療訴訟に詳しい弁護士に相談して、保険会社と再交渉した結果、20%未満に下がったというケースもありますので、いざという時は弁護士に相談する必要性があることも頭の片隅に入れておくとよいでしょう。

 
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